八王子の饂飩・蕎麦3


其ノ41「まつ浅」大和田
関東の普通の蕎麦屋はサービス性薄し
[令和二年十二月十二日]
関東は流石に蕎麦屋が多く、未だ行っていない蕎麦屋は多い。これは余りにも高級店過ぎる店、また普通の蕎麦屋はどうもランチサービス的なものが少なくなんとも非効率的であるからかと思われる。また蕎麦屋が多いと行っても全国的な支店系蕎麦屋が多いと言う事もある。「尾張屋」「大村」「増田屋」等何処でもある蕎麦屋に行っても余り他文化交流にはなりにくいかと?
また別の話をなすとどうも最近、八王子周辺の蕎麦屋の没落が大分あるようであり、大分閉店の店をみた。これはコロナ問題の為とも言えるが、他の要因としてはどうも関東系蕎麦屋はランチサービス的観念が薄い様な感じがあり、これが一般ニーズに応えられていない言う事なのではなかろうか。また関西では普通にあるサービス天玉をだす店が少ない事も気になる所である。
それはそれとして、大和田のオフ店に向かう手前にある「まつ浅」なる蕎麦屋によってみた。これは名前から察して、余り著名店支店と言うわけではなく八王子的(浅川そばの蕎麦屋の洒落?)である事。そしていま一つは営業が珍しく十時三十分〜となっており、よって開店丁度の時間帯に通りがかった為と言う事である。「手打ち」の文言はなく、「自家製麺」となっていた。
ともあれメニューをみたが、やはりランチセットサービス定食的なものはない。もつ煮ライス味噌汁セットと言うのがあったが、味噌汁がつくと言う事は蕎麦ランチセットと言うわけではないようである。
よって「かけ蕎麦」を頂く。先ずは普通の関東系かけ蕎麦だった。






其ノ42「レストラン越路」川口
嘘は駄目[令和2年12月15日]
秋川街道を進み、川口図書館の手前くらいに「越路レストラン」なる大衆食堂的な店があり、存在は知ってはいたが、単なる食堂であり、余り気にならなかったが、ふとみると「手打ち/そば・うどん」なる幟があり、初めて気にかかった。外のメニューには普通のランチ的なものしかないが……? しかしどうも中に入ると麺類メニューがあるらしく……ともかくある日、時間が丁度あったので、入店してみた。
確かに饂飩蕎麦のメニューがあり、しかも大分安い。越路ランチと言うものがあり、むすびとサラダ、蕎麦セットと言うのがあり、それを注文。
出てきたものをみると、「これはいけせません」
お気づきの様に我のこのグルメ紹介文では余り「美味い」「不味い」と言う様な判定は余りしていない。味の判定と言うものは個人的な感想であり、そして数値化もできない事である。そして余り誹謗中傷的な事も控えるべきであり、味の事については各自が冷暖自知るするしか仕方がないないものだと考えるからである。
ただやはり嘘はいけない。調理までみたわけではないが、これは多分、手打ち蕎麦でも、また生蕎麦茹でたて式でも、また冷凍麺式でもない考える。






其ノ43「天ぷらと蕎麦 ツクシ」志木駅
器は大きい [令和二年十二月三十日]
今回は八王子の話ではない。所用の為埼玉志木駅に向かう、たまには上質の武蔵野饂飩でも食べたいと思った事である。ネットで検索し、手打ちの武蔵野饂飩店を探しておいて、同店に向かう。調べとおりに店の幟が見えてきた期待に胸を脹らませる、しかし同店についてはみると暖簾をしまったばかり。残念ながら時間帯があわなかった!
仕方がないので志木駅に戻ると駅の建物内に「天ぷらと蕎麦、ツクシ」と言う店があり、値段もこなれていたようなので入店。「手打ち」ではないようだが死体麺は流石に出さないだろう? かけ蕎麦を注文して出てきたものをみると器はかなり多い特に大盛りは選ばず、並盛りの注文であるが、それなりには量はある様である。
ちゃんと茹でたての生きた麺であり、出汁は関東風であるが、やや薄めの感じ。
メニューをみると普段はランチメニューがあるらしい。





其ノ44「清流そば」立川駅
結構高めであるが死体麺であった [令和二年十二月三十一日]
武蔵野線でから高尾に向かうが西国分寺で乗り換え。この駅構内には自家製麺の蕎麦店があった事を確認していたが、残念ながら時間帯と日にちが合わず、シャッターが半分おりて営業していなかった。
西国分寺から電車を待つと立川止まりの電車がきたので乗車。ということはまた立川で乗り換えと言う事になる。立川駅のホームにおりると、丁度小腹が空いた時期で、目の前に「清流そば」なる立ち食い蕎麦屋があった。時間帯的には朝蕎麦が頼めるので試しに食したみた。ただサービスメニューの様でもありながら結構高めの様な……?
出てきたものをみるとかなり覚悟をしていたが、やはり死体麺。値段的な釣り合いからは少し残念。



其ノ45「讃岐饂飩宮武」橋本駅
富士には月見草、讃岐麺にはぶっかけがよく似合う [令和三年二月十三日]
八王子ではどうも関西饂飩を食べる事はかなり難しい。準じた所では讃岐饂飩もあるのだが、しかし残念ながら讃岐饂飩にも色々振れ幅が大きく、八王子の讃岐饂飩であまり関西饂飩よりの店はないようである。そして何軒か店を閉じてしまった。
近場の讃岐饂飩と言う事で考えると橋本駅に「宮武」がある事を記憶していたので町田街道を南に進んで橋本駅西側アリオ店舗の中にある「讃岐饂飩宮武」によってみた。
かけの中を頂く。麺は流石にちゃんとしたものだが、多分茹でたてではなく、見込み茹での取り置き系と考える。出汁は丸亀ともやや違うがやはり関西出汁とは少し遠い様である。そもそも讃岐饂飩麺は「かけ」よりもぶっかけ系の濃い出汁系が頂きやすい。
関西麺の優しいながらも少しプリッとして腰のある麺と出汁エキスの濃い関西出汁とが中度合うのではないかと思う。そして穴子の箱寿司か関西系の稲荷寿司などが合わされば最高なのだがそんな店は東京では無理である。



其ノ46「居酒屋遊民」高尾街道
麺は生きていたが……ぎりぎりのランチ [令和三年三月二日]
高尾街道を西に進み、陣馬街道を越えて、秋川街道に至る途中位の位置、左側街道沿いに居酒屋遊民というのがあり、夜は居酒屋であるが、昼はランチを営業。その中に饂飩蕎麦がメニューにある事は承知していた。良く通るが時間帯があわず試食する機会が余りなかった。同日やっと丁度腹具合と時間帯が合致し、入店。「狸饂飩セット」を頂く。「ミニ丼」付きであるが、取り敢えず「かき揚げ丼」とした。
出来上がりにやや時間がかかったのは良し。麺は茹でたてで中々よし。出汁は醤油色はそれ程きつくなく、麺の感じも含めて少し関西風。味も……いや味はやはり関西饂飩出汁とは流石に距離がある様である。それだけ関西饂飩出汁は独特であると言えるが、それは別ものとして、それなりのレベルかと思う。丼も味が染みて中々良し。麺も中々良く、茹で置きの「宮武」なんぞより麺はちゃんと生きていた。
サービスドリンク付きなのもよくホットコーヒーを頂く。それなりに満足であるが、料金は外税式であり、commaの付く正にぎりぎりであった。








其ノ47「ほていや」八王子市尾崎町
辺鄙な場所だがサービスランチあり [令和三年三月十七日]
最寄り駅は多分北八王子辺りかとといってもかなり距離がある様な。しかし拝島方面に遠出をした帰り道に割合通りがかる店であり、「手打ち蕎麦饂飩」と言う幟が気になっていた。一度時間を計っていった時、武漢問題で臨時休業になっていてがっかりした事がある。いまだその問題を引きずっている時期ではあるが図らずも通りがかると時間帯と腹具合が丁度一致したので入店。東京系の蕎麦屋の多くは殿様商売が多く、ランチサービスを設けていない店があるが、同店はランチに小ライス付があった。「狸饂飩セット」を注文。麺はやや太めのやや平系である。麺の感じはグルテンの多い関東系である様である。
出汁はやや薄めに感じられたがやはり関東系だろう。値段表示は内税式であった。






其ノ48「さらしな」秋川街道
狐揚げも麺も合格だが甘たる出汁は如何?
 [令和三年四月七日]
高尾街道から秋川街道を降りてゆき、市役所に向かう前、中間地辺りの右側に「さらしな」がある。ランチを提供する食堂だが、「饂飩蕎麦」の幟がある。どうも同店は元々蕎麦屋であったらしい。それならちゃんとした蕎麦を出すかなと考え入店。残念ながらランチサービス的メニューはないようである。仕方がないので「狐蕎麦」の単品注文。店に入って出汁の香りがないので余り期待薄かなと思ったが、しかし東京系は関西と違って実際香りのない店が多い。これは不思議であるが出汁の採り方が違うため? この点は浅学でよく分からない。
ともあれ肝心の出来上がりであるが、麺はまあまあ、狐揚げもまあまあの合格点位。
これはよいのだが、出汁は勿論関東風で……はよいのだが、何方かと言えば甘たる系の出汁。甘たるでもよいのだが、「ふたばや」等に比べると鰹出汁のエキスが少なくやや単純な感じである。







其ノ47「一ぷく」橋本駅東口
便利な駅蕎麦ではあるが、麺は駄目 [令和三年五月四日]
橋本駅辺は良く通るのだが、エナジー補給に路面蕎麦でも……と思って、しかし駅構内では入る事は不可……。と思っていたら東口にバスロータリー側からも入れる「一ぷく」があったので入店。かき揚げ丼とかけ蕎麦のセットを注文。既に覚悟していたが、やはり死体麺。そして何ともミニ過ぎの蕎麦であった。駅蕎麦と言うものは国の寶である労働勤務者の重要なガソリン補給所であり、成るべくならばもっと精錬にしてちゃんと生きたものを提供し手頂きたいとは思うのである。
場所のとりかたは工夫があり、最高の立地条件ではあるが、向上努力のないのはよろしくない。
ただかき揚げ丼は卵とじかけで少し工夫があった事はよろしいか思う。






其ノ48「ちとせ」陣馬街道 諏訪町
蕎麦饂飩店は能率悪し [令和三年六月二十二日]
陣馬街道沿い、諏訪町辺の大衆食堂的な店である。饂飩蕎麦の幟があったので入店。色々な定食やラーメン系等の中に饂飩蕎麦のメニューもある。残念ながら饂飩蕎麦系のランチ定食はなし。
一応狸蕎麦をいただいた。生蕎麦茹でたての割合ちゃんとした蕎麦ではあったが、やはりコストパフォーマンスは余りよくない。近年近くの蕎麦屋がコロナの影響もあったかとは思うが多くが店を閉じてしまった。思うにこれは饂飩蕎麦系にランチ定食がないと言う事が大きな要因と言う感じがする。要するに殿様商売をして余りサービス精神がないと言う事ではないかと思われるのである。




其ノ49 「都夢」南大沢駅
システム化はされていたが
 [令和三年九月三十日]
南大沢駅周辺の格安蕎麦店と言う感じである。立ち食い式ではないが、一般店でもなく、切符の自動販売と言うわけではなく、独自のシステムとなっていた。
店に入るとコンピューター画面で注文をなし、注文シールが出て来て、それを隣の支払い機に読み込ませて入金すると言う遣り方である。これで注文が通った事になるらしい。
初めてなので、取り敢えずかけ蕎麦のみ頂く事とした。
窓口で頂き葱、ワカメなどの薬味をセルフで入れて……と言うスタイルである。
麺はと言うと更級系ではなく、藪の引きぐるみ系であり、出汁も完全に関東風。やや醤油臭さあり……と言う感じ。余り量がないので物足りない方は大盛りをプラスした方が良さそうである。




其ノ50 「多摩の里」多摩ニュータウン店
かなり安いがやや物足りない蕎麦麺と出汁
[令和3年10月27日]
南大沢辺への探訪中、多摩ニュータウン駅辺を通った時に小雨にあり、雨宿りを兼ねたランチを頂く事にする。駅駐輪所に留めて、駅辺を通ると「多摩の里」があり、ランチがかなり安い。
おろし蕎麦とかき揚げミニ丼セットを注文。かなり安い……。
チャンとオーダーを取りにくる一般点ではあるが、立ち食い蕎麦並のコストパフォーマンスである。
多分蕎麦は茹でたて、天ぷら揚げたてで、これはよいと思うが、麺は恐らく蕎麦粉は申し訳程度、出汁も余り深みはない。




其ノ51 「たぬき」下恩方
かなり西よりの出汁ではあるが……。
[令和3年10月29日]
陣馬街道を通って恩方市民センターによった後、少し北側に足を延ばすと店が見える。
一般的の様な感じであるが、切符制になっていた。よって写真での確認はできなかったが、「いなり丼定食蕎麦饂飩付」と言うのがあったので注文。名前から想像するに店の看板セットの様にも思えたが、意味がわからない。
「たぬき」の麺類ならば意味は通ずるが(東西で意味合いは違う)、「イナリ丼」とは?出てきたのをみるといなり寿司を解体した様な感じの食感であった。紅生姜添えなのはモーゼ・イエスからの伝統を崩していないのがよい。
蕎麦は普通のかけ蕎麦となるが、出汁の味は西よりでそこそこよし。勿論関西の極上店とは比べる事はできないが、関西饂飩蕎麦と言っても色々なスタイルとレベルがある。